コスモ建設です。いつも記事を見てくださってありがとうございます。
住宅の建築時、断熱材はどんなものを選べば良いのか悩まれるところですよね。
特にここ北海道では、厳しい寒さに耐えうる断熱材を使用したいとお考えの方は多いことでしょう。
冷暖房のランニングコストに関わると思えばなおさらです。
断熱材は外からは見えないので状態がわからなかったり、自分で「気になるから取り換えよう」とはいかなかったりするので、建築段階で納得した上で施工してもらいたいですよね。
そこで今回は、住宅の断熱材でよく使われる「グラスウール」について、その性能やメリット・デメリットについて解説していきます!
グラスウールはどんな性能の断熱材?劣化はする?
グラスウールの原料は不燃ガラスで、高温でガラスを溶解してできた細い繊維の集まりであり、気密性の高い素材です。
製造工程は綿菓子を作るようなイメージで、溶かしたガラスを遠心力で吹き飛ばし、繊維状に絡めていき、最後は接着剤で形を整えます。
熱を最も通しにくいのは「静止した空気」といわれています。
繊維状に絡んだグラスウールは多くの空気を含むことができ、この空気は静止して動かないため熱が伝わりにくく、断熱効果が高くなっています。
また、グラスウールには高性能グラスウールという種類もあり、通常グラスウールよりも繊維が細かい構造のため、さらに断熱性能が高いです。
グラスウールは近年の新築住宅でよく採用されており、シェアは全体の約半数を占めています。
今もっとも住宅に使用されている断熱材といえますね。
なお、日本でよく使われる断熱材には、グラスウール以外にもさまざまな種類があります。
「断熱材の種類は3つ!それぞれの特徴や性能、断熱材を選ぶ基準も確認」でも、断熱材の種類を詳しく解説しています。
グラスウールは劣化する?
後ほどメリットでも詳しくお伝えしますが、グラスウールは長く使っていてもほとんど劣化しません。
長時間高温多湿な状態に置かれても変形しづらく、年月が経過しても断熱性能の変化はほぼないです。
ただし、施工の際にきちんと吸湿シートにくるまれていなかったり、隙間があったりすると、性能を十分に発揮できずに劣化につながるケースもあります。
稀なケースではありますが、断熱材について知識が深いハウスメーカーや工務店を選ぶことも重要です。
グラスウールの性能をもっと詳しく!メリットや特徴を解説
グラスウールが多くの住宅や建築物に使われているのはメリットが大きいから!
グラスウールの特徴やメリットをまとめました。
高い断熱性能を低コストでかなえられる
グラスウールの大きなメリットは、「比較的安価で断熱材として利用しやすい」ということ。
実は、同じ量(厚み)の断熱材と比べると、グラスウールよりも断熱性が高いものはあります。
しかし、断熱材の性能は厚みが増せば増すほど高まります。
グラスウールは他の断熱材に比べて低価格なので厚みを出しやすく、結果として高い断熱効果を実現できる素材といえます。
ただし、熱を逃がしにくい家かどうかは断熱材だけでは判断できず、窓の性能と相対的に考える必要があります。
窓の断熱については「北海道の寒さ対策は窓がカギ!冷気の遮断方法や断熱性の高い窓は?」もご参考ください。
また、快適な家を目指すためには断熱性と同時に気密性も重要となるため、気密性の高い家のメリットについても「気密性の高い家のメリット・デメリット!気密測定とはどんなもの?」で、ぜひチェックしてみてくださいね!
経年劣化が少なく断熱性能が長続きする
先にも少しお伝えしましたが、グラスウールは劣化しづらい断熱材です。
他の断熱材の中には、温度や湿度で変形を起こしてしまうものもあります。
グラスウールは無機質のガラスが主原料のため、シロアリの食害もほとんど受けず、変形や劣化に強いことから断熱性能が長続きします。
また、断熱材を支える木材も長年使用すると収縮して隙間ができてしまいますが、グラスウールなら伸縮性があるため、木材の収縮もカバーできます。
発泡プラスチック系断熱材のような固形のものだと、伸縮性がないため隙間をカバーすることができず、新築当時の優れた断熱性能を保てるとは限らないのです。
燃えにくい
グラスウールは主原料が不燃ガラスなので燃えにくくなっています。
火事の際には延焼防止に一役買ってくれる素材なので、逃げやすくなるでしょう。
火事の際の死因で最も多いのが有毒ガスによる一酸化炭素中毒なのですが、グラスウールだと煙に巻かれるリスクも軽減できます。
また、燃えるときにも猛烈な煙や有害物質を出さないので、廃棄の際にも安全です。
私たちコスモ建設としては、グラスウールの「不燃性」に注目しています!
他の断熱材でもコストをかければ断熱性能を上げることはできますが、不燃性は素材によるもので、努力で調節できるものではありません。
「快適に過ごせること」と「安全に過ごせること」の両方が大切だと考えています。
健康に影響を与えにくい
グラスウールは有害成分の含有量がごく微量で、人体に影響がほぼないこともメリットです。
グラスウールはJIS規格で、生成時のホルムアルデヒドの影響がごく微量であると認定され、建築基準法においても「使用制限なし」のお墨付き。
断熱材で内部に施工されるものなので、人体への影響はほぼないと考えて良いでしょう。
また、「国際がん研究機関」の調査で、発がん性は紅茶と同程度で「ヒトに対する発がん性に分類されない」と認定されています。
すでに世界で50年以上使われている実績もあり、安全性は証明されています。
防音効果が高い
グラスウールは吸音性も高いので、防音効果が得られます。
グラスウール内部の細かい繊維が音のエネルギーを熱エネルギーに変換することで、低音域から高音域まで幅広い音を吸音してくれるという特徴があります。
環境に優しい
グラスウールのメリットとして、「環境負荷の低い」製品であるということが挙げられます。
グラスウールの主原料のほとんどは、家庭などのゴミから出るリサイクルガラスです。
家を解体して出たグラスウールや、製品を作る途中に出た端材なども再利用可能なため、環境に優しい素材であるといえます。
また、省エネルギーな家として「長期優良住宅」や「認定低炭素住宅」などに認定されると各種控除の対象となります。
断熱性が高いことも省エネ要素の一つであり、認定住宅にグラスウールが使われているケースも多いです。
グラスウールの性能にはデメリットも
たくさんのメリットがあるグラスウールですが、同時にデメリットもあります。
ただしデメリットをカバーする方法はありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
施工に技術が必要
「グラスウールは湿気に弱く、湿気や結露で溜め込んだ水分により下にずれ落ちてしまう」と聞いたことがあるかもしれませんが、それは昔の話。
グラスウールによる結露の原因の大半は「誤った施工方法」です。
そもそも、グラスウールの特徴として吸湿性はありません。
グラスウールはガラスを繊維状にまとめた素材なので空気の通り道はありますが、湿気を含む素材ではないのです。
ただし、お伝えしたように施工時に断熱材との間に隙間があったり、吸湿シートできちんと覆われていなかったりすると、内部結露が生じやすくなります。
これはグラスウールに限らず、どの断熱材についてもいえることです。
現在はグラスウールが普及してきたこともあり、知識不足による施工ミスは今ではほとんど見られなくなったといわれています。
正しい施工ができる会社にお願いし、内部結露のリスクをなくしましょう!
ちなみにコスモ建設では、隙間の原因となるグラスウールの自重でのずり下がりを防ぐ工夫をしています。
床から天井まで1本のグラスウールで納めるのではなく、真ん中に木材を入れ、上下で分けるよう施工しているため、ずれ下がることはほぼありません!
湿気に弱い
グラスウールは繊維の間に静止した空気を含むことで断熱性能を発揮します。
そのため、湿気ったり水に濡れたりすると断熱性が失われてしまいます。
グラスウールを施工する際は袋詰めの状態で作業したり、吸湿・防水シートなどを使ったりして、湿気の影響を受けないように行うことが必要です。
グラスウールは劣化しづらい断熱材!性能を活かして快適な家に
グラスウールは不燃ガラスが主原料の断熱材で、住宅に使われることが多い断熱材です。
その理由は下記のようなメリットの豊富さにあります。
- 高い断熱性能を低コストで実現
- 経年劣化しにくく断熱性能が長持ち
- 燃えにくく安心
- 人体に悪影響を与えない
- 防音効果あり
- 環境に優しい
残念な誤解として、グラスウールの結露問題がありますが、これは過去の誤った施工方法や知識不足から発生してしまったものです。
結露の問題はどの素材でも起こりうることなので、しっかりと技術を身に付けた施工会社にお願いすることで問題はクリアできます。
高断熱・高気密の家は一年中快適に過ごせるだけでなく、冷暖房費も抑えることができます。
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私たちは1984年創業以来、地域に密着した建築会社として北海道の家づくりに取り組んでいます。
北海道に適したツーバイフォー・ツーバイシックス住宅をご提案します!
この記事のポイント
グラスウールはガラスが主原料の断熱材で、今、最も住宅で使われています。
その理由はメリットの豊富さ。
・高い断熱性能を低コストで実現
・劣化しにくく断熱性能が長持ち
・燃えにくく安心
・人体に悪影響を与えない
・防音効果あり
環境にも優しい素材として、これからの住宅に欠かせない存在となっています。
残念な誤解として、グラスウールの結露問題がありますが、これは過去の誤った施工方法や知識不足から発生してしまったものです。
結露の問題はどの素材でも起こりうることなので、しっかりと技術を身に付けた施工会社にお願いすることで問題はクリアできます。
日本でよく使われる断熱材には、グラスウール以外にも様々な種類があります。
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断熱材の種類は3つ!それぞれの特徴や性能、断熱材を選ぶ基準も確認」で、断熱材の種類やそれぞれのメリット・デメリットについても詳しく確認してみてくださいね!
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