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新築住宅購入では高額な物件費用に目が行きがちですが、物件の購入費用や建築費用とは別にかかる「諸費用」も意外に大きな金額になります。

しかも、諸費用は現金で用意しなくてはいけないことがほとんどです。

 

今回は新築住宅の購入でかかる諸費用について解説します。

諸費用の項目や金額、かかる時期などをお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

 

新築住宅の諸費用はいくら？シミュレーションも紹介

新築住宅購入でかかる費用は、物件の購入費用や建築費用だけではありません。

必要書類をそろえる費用、住宅ローンを申し込むための費用、新居への引越し費用などさまざまな費用がかかります。

これらの費用はまとめて「諸費用」と呼ばれます。

 

新築住宅の諸費用は一般的に物件価格の5〜10%程度が相場といわれていますが、実は購入する物件が建売住宅なのか注文住宅なのかによって異なります。

 

また、土地が住宅を建設する建設会社の土地ではなく、他社が保有する土地であれば、さらに仲介手数料も加わります。

 

住宅ローンを申し込む銀行によっても異なりますが、ケースごとの諸費用の目安は以下です。

 

• 建築会社保有の土地に注文住宅を建築：借入金額4,000万円→諸費用約120～150万円＝約3％
• 他社が保有する土地に注文住宅を建築：借入金額4,000万円→諸費用約170～220万円＝約4〜5％
• 建売住宅：借入金額4,000万円→諸費用約100～120万円＝約2〜3％

 

なお、住宅ローンを組まずに現金で新築住宅を建築する場合は、4,000万円の住宅に対して諸費用は約80〜90万円なので約2%が目安といえます。

 

冒頭でもご紹介しましたが、こちらはすべて現金で準備しておく必要があるお金です。

なかなか大きな金額ではないでしょうか。

 

新築住宅購入にかかる諸費用の項目

新築住宅の購入で、購入から引き渡しまでに諸費用としてかかるのは以下のとおりです。

 

印紙税

不動産売買契約書や工事請負契約書には、金融機関などで購入した印紙を貼付します。

印紙税の金額は契約金額によって異なりますが、一部ご紹介します。

契約金額	本則税率	軽減税率
500万円超～1,000万円以下	1万円	5,000円
1,000万円超～5,000万円以下	2万円	1万円
5,000万円超～1億円以下	6万円	3万円

※2027年3月31日までは軽減措置があります。

 

手付金

購入申込み後に売買契約を結ぶ際、買主が売主に支払う費用です。

物件価格の5～10％が相場となっています。

 

住宅ローン費用

住宅ローンを契約する際にかかる費用です。

印紙税、融資手数料、ローン保証料、団体信用生命保険料、火災・地震保険料、抵当権設定の登記費用などがかかります。

 

費用目安は以下のとおりです。

• 印紙税：2万～6万円程度
• 融資手数料：3万～5万円程度
• ローン保証料：借入額の0.5～2％程度
• 団体信用生命保険料：通常金利＋0.2～0.3％程度（特約有の場合）
• 火災・地震保険料：【火災保険】15万～40万円程度（10年一括契約）＋【地震保険】5万～25万円程度（5年一括契約）
• 抵当権設定の登記費用：借入額の0.1％【登録免許税】＋5万円【司法書士への報酬】

 

団体信用生命保険料については、住宅ローン金利に上乗せされていることが多く、その場合は別途支払うことはありません。

 

登記手続き費用

新築住宅の購入と同時に不動産の所有権移転登記・所有権保存登記の手続きが必要です。

所有権移転登記は土地の所有権を売主から買主に移すために、所有権保存登記は新築の建物で新たに登記をするために必要で、それぞれに登録免許税がかかります。

税率は登記の種類によって異なります。

 

【登録免許税（新築戸建ての場合）】

• 土地（所有権移転登記）：固定資産評価額×2%（2026年3月31日までは1.5%）
• 新築建物（所有権保存登記）：固定資産評価額×0.4%（2027年3月31日までは0.15％）

 

手続きを司法書士へ依頼した場合は、数万～10万円程度の報酬を支払います。

所有権移転登記は、土地だけでなく既存の建物の所有権を売主から買主に移す際にも必要です。

新築マンションの場合は、売主があらかじめ保存登記をし、その後買主に移転登記する場合もあります。

 

仲介手数料

不動産会社を通して新築一戸建てを購入する場合は、仲介手数料がかかります。

一般的には以下のような段階に分けて計算されます。

• 取引額が200万円以下の部分：5%
• 取引額が200万円超～400万円以下の部分：4%
• 取引額が400万円超の部分：3%

 

売買契約時と引き渡し完了時に半分ずつ支払うことが多く、目安としては「（売買価格 × 3% + 6万円） + 消費税」の計算式となります。

 

土地購入に関わる諸費用

土地を購入して住宅を建てる場合は、地盤調査費や土地改良費がかかる場合があります。

 

建築工事に関わる諸費用

注文住宅の購入では建築工事に関わって、こんな費用がかかる場合があります。

• 設計料：設計士に支払う費用
• 地鎮祭費用：工事開始時に行う祈祷式の費用
• 上棟式費用：住宅が無事に完成することを祈る儀式の費用

 

新築マンションの場合は修繕積立基金

新築マンションの購入では、購入時に修繕積立基金の支払いも必要です。

マンションの修繕費について前払いしておく費用です。

20万～80万円が相場です。

 

新築住宅にかかる諸費用のシミュレーション

新築戸建てを購入した場合にかかる諸費用をシミュレーションしてみましょう。

 

物件価格が4,000万円（土地部分1,500万円、建物部分2,500万円）、住宅ローン借入金額が3,500万円のケースのシミュレーションは以下のとおりです。

【住宅関連】

• 手付金：200万円
• 売買契約書の印紙代：1万円
• 建設工事請負契約書の印紙代：1万円
• 所有権保存・移転の登記費用：22万6,250円（建物：1,250万円×0.15％【所有権保存登記】＋土地：1,050万円×1.5％【所有権移転登記】＋5万円【司法書士への報酬】）
  ※固定資産評価額を、建物は価格の50％、土地は価格の70％と仮定して計算
• 仲介手数料（土地）：56万1,000円（1,500万円×3％＋6万円＋消費税）

 

【住宅ローン関連】

• 金銭消費賃借契約書の印紙代：2万円
• 融資手数料：3万円
• ローン保証料：70万円（3,500万円×2％）
• 火災・地震保険料：20万円
• 抵当権設定の登記費用：8万5,000円（3,500万円×0.1％【登録免許税】＋5万円【司法書士への報酬】）

合計：384万3,250円

 

ただし、あくまでも簡易的な概算になりますので、実際にかかる金額についてはハウスメーカーや不動産会社にご確認ください。

 

 

新築住宅の購入後にかかる諸費用はいくら？

新築戸建て購入後にも、諸費用がかかります。

必要となる費用にはこんなものがあります。

 

引越し・家具購入費用

新居への引越しや新しく家具を購入する際にかかる費用です。

旧居を引き払うのと新居への引越しのタイミングが合わなければ、仮住まいの費用が発生するケースもあります。

 

不動産取得税

不動産を取得したときに1度だけかかる税金です。

購入から半年～1年半頃に都道府県から納税通知書が届きます。

税額は、不動産の課税標準額×4%（2027年3月31日までは3％）。

建物の条件によっては減税措置を受けることもできます。

 

固定資産税・都市計画税

不動産を購入すると固定資産税が毎年かかります。

税額は、不動産の標準課税額×標準税率（主に1.4%）です。

地域によっては都市計画税もかかります。

 

 

新築住宅購入の諸費用を安くする方法

新築住宅購入での諸費用は意外に大きな費用になり、しかも現金で用意しなくてはいけないのが大変です。

かかる諸費用を少しでも節約するためには、こんな方法を検討してみましょう。

 

司法書士に依頼せずに自分で登記手続きをする

登記手続きは司法書士に依頼しなくても、自分で手続きすることができますよ。

自分で手続きをすれば、司法書士報酬を節約することが可能です。

必要書類を揃えたり法務局へ書類を提出したりするので、昼間に時間の余裕がある方がおすすめです。

 

つなぎ融資を使わない

土地を購入して新築戸建てを建てる場合、住宅ローンの実行は「建物完成時」になります。

ただ、それまでも住宅建築のための費用はかかるため、その支払いにあてるのが「つなぎ融資」です。

つなぎ融資は住宅ローンよりも金利が高く設定されていることや、手数料・諸費用もかかってしまいます。

 

一時的に親族から現金を用立てできる場合は、つなぎ融資を借りずにそちらから支払ったほうがローンの負担が軽くなります。

 

諸費用込みで契約できる住宅ローンを利用する

住宅ローンは通常、住宅購入費や建築費にのみ借りることができるローンですが、なかには諸費用も含めて借入金に設定できる商品もあります。

返済していくことには変わりはありませんが、諸費用として購入時にまとまった現金を用意する負担は軽減できるでしょう。

 

注文住宅の費用総額や内訳、費用を抑えるポイントについては下記のコラムでご紹介しています。
ぜひ、あわせてご覧ください。

注文住宅の費用、総額や内訳をチェック！抑えるポイントもある？

 

この記事のポイント

新築住宅購入時に、物件購入費、建築費以外にかかる費用をまとめて諸費用と言います。
諸費用は購入する物件の種類や土地に仲介手数料がかかるかどうかなどによって異なり、ほとんどを現金で準備しておく必要があります。

購入に関わる印紙税や登記費用、住宅ローン契約の費用などのほか、土地を購入するなら地盤調査費用や土地改良費用、建築をするなら設計料や地鎮祭・上棟式の費用、マンションであれば修繕積立基金などがかかります。

購入後も引越し費用や家具代、税金などがかかるため、いつどんな諸費用がかかるのか知っておきましょう。

諸費用を抑える方法としては、登記などを司法書士に依頼せず自分で行うことや、つなぎ融資を利用しないといったことが挙げられます。
諸費用そのものを安くできるわけではありませんが、諸費用込みで契約できる住宅ローンを利用すれば、多額の現金が手元にない場合の対処法となるでしょう。


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